赤錆の霧

終末の時は突然やってきた！
轟音、一閃、大地は穢れ、バベルの麓でキリンが燃える！

生体汚染により心臓を失った者達、新生人類「ベベ」は悉く中心都市から排除され、強奪を繰り返すことで何とか命をつないでいた
ある日、ベベの青年兵サジンの所属する一団は、中心部から遠く離れた小都市、チューリップ自治区の教会に目をつける

臭いものには蓋をするのか
汚いものには目を背けるのか
お前が愛をのたまう間に、子猫はガス室で死んでゆく

いまや行くべき時が来た。私はこれから死ぬために、諸君はこれから生きるために。
どちらが善いか誰にもわからぬ。神のみぞ知り給うのだ。
――「ソクラテスの弁明」より――