Asiopodabrus属(ジョウカイボン科)のすすめ

投稿日 2020年7月22日

更新日 2020年7月31日

Asiopodaburusu属は日本産ジョウカイボン科甲虫の中では最大のグループで、およそ180種が記載されている。体長は1 cm前後と小型。外見はどの種も酷似しているため、分類の研究ではオスの交尾器が重要な形質とされる。
小型・交尾器での同定が必須・外見のバリエーションが少ない・体が柔らかく標本映えしないなどの理由から多くの虫屋に人気がないが、未記載種を発見できる可能性がまだあり、各地域で異なる種が採れるなどの魅力的な点もある。

<採り方>
平地から山地までいる。生息地での数は基本多く、見つけ採り、花掬いなどのスウィーピング、灯火でたくさん得られる。時期は5~8月ぐらいが一番採れると思う。

<同定資料>
2012年までに記載された種であれば書籍のレビュー(下記参照)で同定できるので、これを買えば時間と体力を使って同定資料をかき集める必要はない。少しでも興味があるなら是非購入しよう。

A Taxonomic Study on the Genus Asiopodabrus(Coleoptera, Cantharidae) of Japan (Monographic Series No.4)
邦題:日本産Asiopodabrus属(コウチュウ目ジョウカイボン科)の分類学的研究
高橋和弘, 2012., ハードカバー、テキスト:英文
B5, 357+viiipp. 6,300円(税込・送料別)
昆虫文献六本脚から引用。

この記事では例として栃木県那須岳のライトトラップで得た2種を紹介する。



マンナミクビボソジョウカイ
Asiopodabrus (Asiopodabrus) mannamiensis Takahashi, 2012
2,3枚目の写真がオスの交尾器。
ジョウカイボンのオス交尾器はタル型をしていて特徴的。基本的にこのタルの突起のような部分とその周囲の形状(写真でいうと2枚目のウサギの耳のような部分や3枚目の枝分かれしている部分)を見て種を判断する。



カシクビボソジョウカイ
Asiopodabrus (Asiopodabrus) kashiensis (Takahashi, 2002)
先にも述べたが外見での同定は非常に難しい。特にメスの同定はオスも同時に取っておかないとかなり厳しいものがある。
一応地域ごとに採れる種が大体決まっているので、採集した地域である程度候補を絞ることもできなくはない。