正指揮者×副指揮者 スペシャル対談 〜第51回定期演奏会ver.〜
2026年10月22日
こんにちは!第51回定期演奏会が近づいてきました!
スペシャル企画として、正指揮者×副指揮者 スペシャル対談〜第51回定期演奏会ver.をお届けします!
録音されるということで緊張気味の2人でしたが、様々な思いを聞くことができました!
ぜひ最後まで楽しんでお読みください!

学生正指揮者:眞鍋日菜(51期)
♯なべひな
♯写真右
学生副指揮者:具響孝(52期)
♯おとゆき
♯写真左
進行:池田結
書記:荒木晃弘
指揮者としての出発点
池田: お二人とも大学から合唱を始められたと思うんですけど、指揮も最初は初心者だったと思います。指揮法をどうやって練習してきたのかとか、お手本にしている人がいるかとか、そのあたりを教えてください。
眞鍋: そうですね。私は基本的に、自分が振る曲について、いろんな大学や合唱団の演奏動画を見て、ほかの指揮者がどういうふうに振っているのかを参考にすることが多いです。
実際に自分で振ってみて、ここはどうしたらいいんだろうって困ったときは、指揮者を経験した先輩に聞いたり、同期にも指揮に興味がある人がいるので、アドバイスをもらったりしています。基本的な指揮の動きも、最初は先輩に教えてもらいましたね。
あと、私は合唱自体も大学から始めたんですけど、周りには音楽が上手な同期が多くて。そういう子たちから教えてもらうこともありましたし、歌い手として活動する中で、周りの音がどう聞こえるかとか、どういうふうに歌ったらいいのかとか、そういうことを考えながら歌っていたのも、指揮をするうえでの力になったのかなと思います。
具: えっと、僕は最初、先輩から指揮法の本をもらって、それを読んで勉強していたんです。でも、やっぱり本だけだと限界があって。先輩に直接教えてもらいながら、まずは基本的な打点とか、歌い手から見えやすい指揮を心がけていました。
それで、夏休み前くらいに運命の出会いがあったんですよ。
荒木: 運命の出会い(笑)。
具: 東京混声合唱団の演奏動画で、山田和樹さんの指揮を見たんです。それがもう、めちゃくちゃかっこいいなと思って。
山田さんって、いい意味で、ずっと打点を示しているわけじゃないんですよね。もちろん拍を示すことも大切なんですけど、それだけじゃなくて、歌っている人の感情がすごく引き出されるような指揮をされるんです。
それを見て、自分もこういう指揮をしたいなって思うようになりました。そこからは打点を意識するだけじゃなくて、いろんな体の動きを使って、歌い手の感情がもっと出るような指揮を目指すようになりました。
まあ、今も本当に練習中なんですけどね。
お互いの指揮者としての印象
池田: では、お互いの指揮者、練習指導者としての印象を教えてください。
具: じゃあ、僕からいいですか。
眞鍋さんの何がすごいかっていうと、まずフィードバックが本当に早いんですよ。これはマジですごいなと思っていて。
僕は結構、考え込んでしまうタイプなんです。練習中も「ここはどうしたらいいんだろう」って考えてしまって。でも、指揮者としては、あんまり時間をかけすぎると貴重な練習時間が減ってしまうし、みんなの集中力も切れてしまうじゃないですか。
その点、眞鍋さんの練習はすごくテンポがいいんです。間延びしないし、自然とちゃんと話を聞こうっていう気持ちになるというか。練習がすごく充実したものになっているなと思います。
あと、指揮がめちゃくちゃ安定しているんですよね。僕は結構すぐにぐらついてしまうんですけど。
眞鍋: 私もあるよ(笑)。
具: いやいや、本当に。すごく頼れる指揮者だなって思います。僕もこれから正指揮者になるにあたって、そういうところは見習っていきたいです。
眞鍋: ありがとうございます。
私は逆に、結構先へ先へと音楽を変えようとする気持ちが強くなってしまって、歌い手にちゃんと寄り添えているのかなって思うこともあるんです。
でも、具くんは「この曲のここが好きなんですよね」とか、「僕はここをこう思うんです」みたいなことを、よくみんなに話してくれるんですよ。
そういう雑談って、私は練習の一環だと思っていて。もちろん分量にもよるけど(笑)。自分が曲に対してどう思っているのかを団員に伝えて、そこから一緒に音楽をつくっていくというのは、本当に音楽が好きだからこそできることだと思うんです。
団員とのコミュニケーションも大切にしてくれているし、歌い手として参加していると、そういう話を聞けるのはすごく嬉しいんですよね。私も見習いたいなと思います。
あと、指揮そのものも、めちゃめちゃ楽しそうに振るなって思っていて。
もちろん悩むこともあると思うんですけど、その中でも「じゃあ次はどうしたらいいかな」って前向きに考えているのが伝わってくるんです。
だから、なんというか、「この指揮者と一緒に音楽をつくっていきたい」って思わせてくれるんですよね。
具: いやあ、恥ずかしいな、これ(笑)。
サマーコンサートを振り返って
池田: 続いて、サマーコンサートを終えての感想を聞きたいと思います。特に具くんにとっては、初めて多くのお客さんの前で指揮をする機会だったと思うんですけど、いかがでしたか。
具: そうですね。今年のサマコンはいろいろあって、予定していた副指揮者ステージがなくなってしまったので、僕はドイツリートの指揮のみを担当することになりました。
ドイツリートって、鈴木茂明先生が普段どういうふうに振られているのかを考えながら指揮しないといけないんです。特に間の取り方とか、どこで止めるのかとか、そういうところが結構変則的で。
何も意識しないと、そのまま拍子を振り続けてしまうので、どこで止めるのか、どこで合図を出すのかを忘れないようにするので精一杯でした。
パートごとに違うタイミングで入るところもあるので、合図の出し方もすごく気を遣いましたね。
ただ、反省点としては、そういう形式的な部分を意識しすぎてしまったことです。
本当は歌い手とアイコンタクトを取ったり、もっとコミュニケーションを取るような指揮をしたかったんですけど、どうしても譜面にかじりついてしまって。自分がやりたいと思っていた指揮が、十分にできなかったなと思います。
でも、その一方で、ドイツ語の曲がすごく好きになりました。
今回、初めて和声分析なんかもやってみたんですけど、そうやって曲の構造を理解すると、練習で自分が伝えることにも説得力が生まれるような気がしたんです。それに気づけたのは、すごくいい経験でした。
まあ、本番はめちゃくちゃ緊張しましたけどね(笑)。
眞鍋: 私は、とにかく本番が好きなんですよ。
もちろん練習も好きだし、曲について考える時間も好きなんですけど、本番でみんなが「やるぞ!」ってなる、あの雰囲気がすごく好きで。そういう気持ちが年々強くなっているように感じます。
今回のサマコンでは、正指揮者として『かなでるからだ』から「皮膚、肌」と「骨」を振りました。
この2曲って雰囲気が全然違うんですけど、それぞれの曲に合った感情を込めて、みんなが歌えていたんじゃないかなと思います。
特に「骨」は、練習中からみんながすごく楽しそうに歌っているのが伝わってきて。本番でもそれを感じることができたのが嬉しかったですね。
お客さんにいい演奏を届けるのはもちろん大切なんですけど、それと同時に、歌い手自身がどれだけ楽しんでいるのかが伝わるのも大切だと思うんです。今回はそういう演奏ができたのかなと思っています。
ただ、サマコンは定演に向けた中間発表のような位置づけでもあるので、「もっとこういうことができるな」っていう課題も見つかりました。それも含めて、いい機会だったと思います。
池田: ドイツリートについてはどうでしたか。
眞鍋: ドイツ語は私もめちゃめちゃ難しいと思っていて。夏合宿の時点では、まだドイツリートらしい歌い方や雰囲気を十分につかめていないなって感じていたんです。
そこから歌詞を改めて読んだり、先生の練習をよく見たり、周りの友達に聞いたりして、少しずつ理解が深まってきたかなと思います。
池田: ドイツリートを指揮するけど、本番では歌わないといけないですもんね。
具: そうなんですよ! それが本当に難しくて。
指揮を担当した曲に集中しすぎて、それ以外の曲の歌詞が全然覚えられていなくて(笑)。本当にやばいなと思いました。指揮者の弊害ですね。
眞鍋: 私は逆かもしれない。自分が指揮する曲は、自然と歌詞まで覚えられるんですよね。
逆に、具くんが担当している曲の方が、歌っているだけだと意外と入ってこなくて。私は指揮をしているからこそ覚えられるタイプなのかもしれないです。

『四つのディベロップメント』との出会い
池田: では、今回の定期演奏会で演奏する曲について、選んだきっかけや思い入れを教えてください。
具: 『四つのディベロップメント』は、もともと団員からおすすめの曲として紹介してもらったんです。
それで聴いてみたんですけど、1曲目の「猫のボブ」を聴いた時点で、もうほぼ決まりましたね。
「これをやるしかない!」って思いました(笑)。こんな合唱曲が存在するんだ、って。
それから曲について調べたり、詩を読んだりするようになったんですけど、そこでさらに惹かれたんです。
この組曲は長田弘さんの詩をもとにつくられているんです。最初に曲を聴いたとき、正直、歌詞の意味が半分くらい分からなくて。それで、ちゃんと詩集を読んでみようと思ったんです。
それぞれの詩が違う詩集に収録されているので、探すのも結構大変だったんですけど、読んでみたら本当にびっくりして。
詩がめちゃくちゃ深いんですよ。
例えば「猫のボブ」では、平和とは何かという問いが出てきます。
最初は猫が「にゃーにゃー」言っている曲、みたいな印象だったんですけど(笑)、実際に詩を読んでみると、こんなに深いことを言っていたんだって気づいて。そこにすごく惹かれました。
眞鍋: そうだよね。割と、人の生き方に関わるような核心的なことを言っている曲集だと思います。
「シシリアン・ブルー」なんかも、すごく明るい曲調なのに、人が一日一日を生きて、いつかいなくなる、みたいなことを歌っていたりして。
具: そうなんですよ。
「シシリアン・ブルー」って、明るくて爽やかな曲に聞こえるんですけど、和音を調べてみると、結構短調の響きが使われているんです。
なかなか解決しない和音もあったりして、切なさを感じる部分も多いんですよね。そういう二面性がすごくいいなと思います。
あと、この『四つのディベロップメント』って、4曲それぞれの作曲家が違うんです。
1曲目が作曲されて、それを受けて2曲目がつくられて、というリレー形式になっていて。最後の4曲目は、前の3曲を受けて作曲されているんです。
実際に聴いてみると、前の曲へのオマージュのような部分が散りばめられていて、それがすごく面白いんですよ。そういう構成にも魅力を感じました。
池田: 曲集全体で、一つのつながりがあるんですね。
具: そうですね。
あと、これが僕にとって結構大事なことなんですけど、この組曲は自然描写がすごく魅力的なんです。
自然や風景の描写と、人間の生き方みたいなテーマが、すごくいい感じに織り交ぜられていて。
僕自身、自然がとても好きなので、そういうところにも惹かれました。
それから、この組曲を通して聴いていると、なんだか旅をしているような感覚になるんです。
実際にいろんな場所を移動するというより、心の中で旅をしているような感じで。
最後の「For The Good Times」で、ふっと客席に戻ってくるような感覚があるんですよね。
そういう心情の移り変わりを感じられるところも、この組曲の大きな魅力だと思っています。
いやあ、なんか長々と話してしまいました(笑)。
『かなでるからだ』に込めた思い
池田: ありがとうございます。では、眞鍋さんの『かなでるからだ』についても教えてください。
眞鍋: 曲を選んだ経緯としては、まず団員のみんなからも正指揮者ステージの候補曲を出してもらって、私自身もいろいろ探していました。
その中で、私が選んだ曲をいくつかプレゼンして、みんなで話し合って決まったという感じです。
『かなでるからだ』自体は、YouTubeでいろんな合唱曲を聴いているときに、たまたま出会った曲なんです。
最初に聴いてすごくいいなと思ったのは「肩」でした。今でも一番好きな曲ですね。
ただ、今回の曲集を選んだ理由は、自分が好きだからというだけではなくて、お客さんにどう楽しんでもらえるか、ということも結構考えました。
具くんの『四つのディベロップメント』が心の旅のような曲集だとしたら、『かなでるからだ』は体の部位を通して、人間そのものを描いているような曲集だと思うんです。
特に「膝」とか「骨」は、それぞれの体の部位がどんな役割を持っているのか、どうやって人の中で生きているのか、ということがすごく生き生きと描かれていて。
それが読んでいても、聴いていても、わくわくするなと思いました。
曲調も、詩の雰囲気に合わせて一曲一曲はっきり違っているんですよね。
だから、合唱をあまり聴いたことがないお客さんでも、すっと楽しめるんじゃないかなと思ったんです。
聴き終わったあとに、「あの曲のあそこが好きだったな」とか、「あの部分が面白かったな」とか、そういう印象が残るといいなって。
純粋にエンターテインメントとして楽しめる、というのも、この曲集を選んだ理由の一つですね。
具: それでいうと、僕も「猫のボブ」を選んだ理由には、そういうところがあります。
「常陸野の」のあとに、いきなり猫が出てきたら、めちゃくちゃ面白いんじゃないかなって(笑)。
眞鍋: 確かに(笑)。
でも、すぐに楽しめるっていうのは大事だと思うんですよね。
もちろん、どちらの曲集も詩を読み込むと深い意味があるんですけど、まずは聴いて、何かを感じてもらえるというか。
ただ、それを実際の演奏でどう表現するかは、今も難しいなと思っています。
曲ごとの雰囲気をもっとはっきり変えたり、ここは少し時間を取って歌おうとか、このフレーズをもっと意識しようとか、そういう工夫が必要で。
何も考えないと、さらさらっと歌えてしまう部分もあるので、そこをどう聴かせるかが、今の課題ですね。
池田: ちなみに、お二人が『かなでるからだ』で好きな曲はどれですか。
眞鍋: 私は、さっきも言ったけど「肩」ですね。
「肩」って、誰かの肩について歌っている曲なんですけど、私は人と人とのつながりを描いているところがすごく好きなんです。
最初は恋愛的な意味も強いのかなと思ったんですけど、詩を書かれたみなづきみのりさんの言葉を読んで、もっと広い意味があるのかなと思うようになりました。
人の肩に触れるとか、誰かとコミュニケーションを取るとか、そういうことを通して世界とつながっていく感覚があるんですよね。
人とつながることで、自分よりも大きなものを感じるというか、そういう一体感のようなものがあるなと思って。
「皮膚、肌」からも、そういう感覚を強く感じるんです。
あと、「骨」はもう、とにかく楽しいです(笑)。歌っていても楽しいし、聴いていても楽しい。それが本当に好きですね。
具くんはどの曲が好き?
具: 僕は「膝」が一番好きですね。
あの軽快な感じがすごくいいなと思っていて。歌詞も結構好きなんですよ。
曲としては割とあっさりしているというか、次の「骨」につなげていくような感じもあるんですけど、あのさらっと進んでいく雰囲気がいいなって思います。
眞鍋: 爽やかだよね、曲調が。
具: そうですね。歌詞も含めて、前向きな感じがするというか。
眞鍋: うん、それは確かに分かるな。
同じ曲集でも、それぞれ違うところに惹かれているのが面白いよね。
音楽をつくるうえでの難しさ
池田: ここまで曲についていろいろお話しいただきましたが、実際に曲づくりをする中で、大変だったことや意識していることを教えてください。
眞鍋: 私が難しいと思っているのは、自分の曲に対する解釈を、どうやってみんなに伝えるかということですね。
抽象的な言葉で伝えた方がうまくいくこともあるし、具体的に説明した方が伝わることもあるんです。
例えば、「もっと柔らかく歌ってほしい」とか、「こういう雰囲気にしたい」とか。
でも、それだけではなかなか伝わらないこともあって。そういうときは、もっと具体的な情景をイメージしてもらった方がうまくいくのかなとか、いろいろ考えます。
相手によっても伝わり方は違うので、先輩や同期、後輩にも意見を聞きながら、少しずつ伝え方を変えてきました。
あとは、歌詞をちゃんと聴かせることも難しいなと思います。
ゆったりした曲だからといって、ただゆったり歌えばいいわけではないんですよね。
聴かせたい言葉をどう聴かせるのか、どの言葉を大切にしたいのか。歌い手が思っている以上に、お客さんには言葉が聞き取りにくいこともあると思うんです。
だから、語頭の立ち上がりやフレーズを意識してもらったり、もっと遠慮せずに歌いにいってもらったり。
そういうふうに、みんなが自然と表現できるところまで持っていくのが難しいなと思っています。
具: 僕が一番難しいと思っているのは、和音を聴いて、それが合っているのかどうかを判断することですね。
『四つのディベロップメント』って、結構複雑な和音が出てくるんですよ。
だから、練習中に「あれ、ここ違くない?」って思っても、実はもともとぶつかる和音だった、ということもあって。
逆に、きれいにハモらないといけないところで、全然ハモっていないこともあるんです。
それを聴き分けるのが本当に難しいですね。
どのパートがもう少し強く出た方がいいのかとか、どういうバランスにしたらきれいに響くのかとか、そういうことは今も試行錯誤しています。
眞鍋: でも、私は具くんが「こう歌ってほしい」って伝えているのを聞いて、参考になることも結構あるんですよ。
いろんな言葉を使いながら、試行錯誤して伝えようとしてくれているじゃないですか。
もちろん、すぱっと言って、それで一気に変わるのもいいと思うんですけど、いろんな言葉を聞きながら、歌い手も一緒に考えられるというのは、私は楽しいなと思っています。
具: ありがとうございます。
僕も最初は、「ここをもっと強く」とか、「ここは柔らかく」とか、そういう伝え方が多かったんですけど、それだけでは伝わらないなって思うようになって。
意外と、具体的な情景を伝えた方が、みんながその雰囲気に乗ってくれることもあるんですよね。
あと、音楽づくりで一番意識していることは、いかに練習を楽しくできるか、ということです。
練習時間は限られているし、みんなの集中力が切れないようにしないといけないので。
前に「シシリアン・ブルー」の練習で、僕がイントロを弾いたことがあったじゃないですか。
眞鍋: あったね(笑)。
具: ああいうので、みんながちょっと笑ってくれたりすると、そのあとの雰囲気もよくなると思うんです。結果的に音程もよくなったりするんじゃないかなって。
だから、ただ練習を進めるだけじゃなくて、どうしたらみんなが面白いと思ってくれるか、楽しみながら歌えるかっていうところは、すごく意識しています。
池田: 私は、具くんがいろいろ試行錯誤している姿をみんなに見せること自体が、歌い手と指揮者の信頼関係につながっているのかなと思います。
具: ああ、なるほど。じゃあ、これからも試行錯誤します(笑)。
でも、試行錯誤しているときって、結構怖いんですよ。
みんなが黙っていると、それはそれで怖いし、逆に話し始めたら「静かにして」って言わないといけないし。
見られていても怖いし、見られていなくても怖い(笑)。本当に難しいですね、指揮者って。
次代に向けて
池田: ここからは具くんへの質問なんですけど、次の定期演奏会で正指揮者になったとき、どんな曲をやりたいかとか、どういう指揮を目指したいかとか、考えていることはありますか。
具: そうですね。曲については、やっぱり個性的な曲をやりたいなという気持ちがあります。
今回の『四つのディベロップメント』は、自然や風景の描写が多い曲集だったので、次は人の心情にもっと焦点を当てた曲でも面白いのかなと思っています。
『かなでるからだ』みたいに、人間そのものをテーマにした曲もいいなと思うし。
もちろん自然描写も好きなので、そういう曲にも惹かれるんですけど、そこはこれからいろいろ考えていきたいですね。
指揮については、やっぱり山田和樹さんが目標です。
ただ単調に拍を振るんじゃなくて、体全体を使いながら、歌い手の感情を引き出せるような指揮をしたいです。
みんなが自分の感情を込めて、自然と音楽を表現できるような指揮者になれたらいいなと思っています。

ともに音楽をつくる仲間たち
池田: 続いて、同期についてお聞きしたいと思います。お二人にとって、同期はどんな存在ですか。
具: いやあ、まず、52期は本当に頼もしいですね。
みんなしっかりしているんですよ、本当に。
僕は結構、そのときの気分で動いてしまうタイプというか、計画を立てたり、現実的なことを考えたりするのがあまり得意じゃなくて。
だから、そういう面でも同期にはすごく助けられています。
あと、情に厚い人が多いなと思うんです。
この1年、活動をしてきて、正直いろいろ悩んだこともあったんですけど、そんなときに支えになってくれたのは、やっぱり同期の存在でした。
「この人たちのために頑張りたいな」っていう気持ちが、すごく大きかったですね。
それから、本当に一人ひとりの個性が強いんですよ(笑)。
いや、単に個性的っていう言葉で片づけられないくらい、それぞれに違った個性があって。すごく面白いなと思います。
これからあと1年しかないのか、って思うと……。
眞鍋: いや、1年もあるじゃない(笑)。私たちはもう2か月もないんだよ。
具: あ、そうか(笑)。
でも本当に、これからの1年がすごく楽しみです。
眞鍋: 私はまず、音楽的な面ですごく頼りになる同期だなって思っています。
それぞれがいろんなことを考えていて、「ここはこうしたいよね」とか、「こういう表現がいいんじゃない?」とか、同じ目線で話ができるんです。
合宿でもたくさん話したし、普段の練習中や練習後にも、自然とそういう話ができるんですよね。
一緒に音楽をつくっていけることが、すごく心強いし、とにかく楽しいなと思います。
それから、サークルって、音楽だけをやっているわけではないじゃないですか。
運営のこともあるし、人間関係もあるし、その中で一緒に音楽をつくっていく。
当然、価値観が違って意見がぶつかることもあります。でも、みんな違う考えを持っていても、最終的には同じものを目指しているんですよね。
定期演奏会だったり、ほかの演奏会だったり、一つの目標に向かって進んでいく。
私は、意見がぶつかること自体は悪いことだと思っていなくて。ぶつかりながらでも、同じ目標に向かっていけるというのが大事なのかなと思います。
だから、単に仲がいいとか悪いとかではなくて、一人の人間として、お互いのいいところを認め合えているんじゃないかなって。
そういう関係性が、とてもいいなと思っています。
あと、同期の話からは少しずれるんですけど、後輩たちにもすごく感謝しています。
私たちのやり方について、もっとこうした方がいいのにって思うことも、きっとあると思うんです。
それでも、運営のことも、普段の雑談も、一緒に楽しくやってくれているのがすごく嬉しくて。
私自身、後輩のことも、ただ後輩としてではなくて、同じ団をよくしていこうと考える一人の団員として接したいなと思っています。
そういう気持ちが少しでも伝わっていたら嬉しいですね。
具: 僕から見ても、51期の先輩たちは本当にすごいなと思います。
一人ひとりに積極性があって、どうしたらつくこんがもっとよくなるんだろうって、みんなが考えている感じがするんです。
自分の意見もちゃんと発言するし、そういうところを本当に尊敬しています。
荒木: 嬉しいなあ。
池田: こういう話を聞いていると、大学の合唱団って、すごく濃いコミュニティなんだなと思います。短期間だけ集まって演奏する企画合唱団もありますけど、大学の合唱団は、長い時間をかけて一緒に練習して、同じ仲間と音楽をつくっていくじゃないですか。
眞鍋: そうですね。今しかできないことをやっている、という感じがしますね。貴重な時間だと日々感じています。
定期演奏会への意気込み
池田: では最後に、定期演奏会への意気込みと、ご来場いただくお客様へのメッセージをお願いします。
具: そうですね。やっぱりこの1年間の集大成なので、まずは自分たちが楽しむということを大切にしたいです。
そのうえで、本当にすごい演奏をしたいなと思っています。
僕は、副指揮者ステージの使命は、お客さんの度肝を抜くことだと思っているんですよ。
荒木: 度肝を抜く(笑)。
具: そうです(笑)。
「なんだ、この合唱は!」って思ってもらえるような演奏にしたいんです。
たぶん、今まで聴いたことのないような合唱になっていると思うので、ぜひ楽しみにしていてください!
眞鍋: 私は、演奏会全体を楽しんでもらえたら嬉しいなと思っています。
全部の曲を好きになってもらわなくてもいいと思うんです。
聴き終わったときに、「あの曲が好きだったな」とか、「あの部分が印象に残ったな」とか、そういうものが一つでもあったら嬉しいですね。
何か決まった聴き方をしなきゃいけないわけではなくて、お客さん自身が自由に楽しんでもらえたらいいなと思います。
曲づくりはもちろんですけど、パンフレットも含めて、いろんな人がいろんなところにこだわって準備をしています。
そういうものも含めて、演奏会全体の雰囲気を楽しんでいただけたら嬉しいです。
本番まで、みんなで全力で音楽をつくっていきたいと思いますので、ぜひ楽しみにしていてください!
池田: ありがとうございました!
眞鍋: じゃあ最後に、みんなで……定演頑張るぞ!
一同: おー!!