2025年12月3日(水)、第1エリア食堂において「令和7年度副学長等と全学学類・専門学群・総合学域群代表者会議(全代会)構成員との懇談会」が実施されました。
懇談会には、千葉 親文 副学長(学生担当)や西尾 チヅル 副学長(企画評価・広報担当)、竹中 佳彦 副学長(教育担当)、唐木 清志 氏(学生生活支援室長)など多数の教職員の方々にご参加いただきました。全代会側からは、𠮷川 椛 議長(工学システム学類3年)をはじめ、各委員長を含む全代会の構成員が出席しました。
初めに𠮷川議長より、今年度全代会が昨年度からの課題であった組織運営の基盤強化、特に「タスクの明確化と負担分散」に重点を置いて取り組んだとする中間報告が行われました。
その後、全代会側から以下の3つの主要な話題が提起され、副学長や教職員の方々と有意義な議論を行わせていただきました。
- 総合学域群の移行システムおよび移行後の学修にかかる問題について
- 教職課程履修者の履修カルテの完全デジタル化に関する要望について
- 筑波大学駐輪場における駐輪実態の調査と報告について
これら3つの話題に加え、西尾副学長より筑波大学統合報告書の刊行について説明があり、新施設である未来社会デザイン棟の親しみやすい名称の募集への協力が全代会に求められました。
これらの話題において、提出した学生の意見と大学側の検討状況は以下の通りです。
1. 総合学域群の移行システムおよび移行後の学修にかかる問題
教育環境委員会が総合学域群から移行した学生(2年次から4年次)を対象に行った調査では、移行後の学修に94%の学生が「満足している」または「どちらかといえば満足している」と回答し、高い満足度が確認されました。
一方で、「移行のために修得した単位が、移行先の卒業要件単位として使いにくい」という課題が指摘されました。また、成績を上げるために「成績が取りやすい単位を抽選で引き当てる競争」が起きている実態が報告され、学習意欲のある学生が不利になる事例が把握されていることが共有されました。
大学側からは、山中 総合学域群長より、成績評価基準の違いがあるとしつつ、単位認定の強化について各学類の先生方の協力を求めたいとの意見が出されました。また、移行生が移行先の学類で孤立してしまう友人関係(コミュニティ)の問題についても把握しており、対応が必要であるとの認識が示されました。
2. 教職課程履修者の履修カルテの完全デジタル化に関する要望
教職課程履修者(2年次から4年次)を対象とした調査(回答数85件)では、回答者全員(100%)が履修カルテの記入は「負担となった」または「どちらかといえば負担となった」と回答し、紙媒体での運用が大きな負担となっている現状が示されました。学生は電子媒体での利用を強く求めており、特にmanabaでの利用を希望する声が最も多い結果となりました(92.2%)。
大学側の教育推進部からは、デジタル化は推進しており、最短で次年度(令和8年度)の導入を考えていたことが示されました。一方で、生成AI等を利用した不正や、紙媒体に比べて深い学びにつながらない可能性といった懸念事項について議論が行われました。全代会側は、これらの懸念を改革を阻む理由とせず、学生側の需要を踏まえて、学生側も巻き込んだ丁寧な議論を行うよう強く要求しました。
3. 筑波大学駐輪場における駐輪実態の調査と報告
生活環境委員会が第一エリアを対象に行った実地調査と、学生に対して行った駐輪に関するアンケート結果(回答数154件)が報告されました。アンケートに回答した学生の約80%が駐輪マナーが欠如していると感じていることが明らかになり、問題は混雑と駐輪マナーの欠如の双方にあると結論づけられました。
生活環境委員会は、混雑解消のための駐輪台数制限や駐輪監視員の導入、マナー改善のための看板設置などを提言しました。また、来年度の春学期に筑波大学全体の駐輪状況を調査し、引き続き改善に向けた提言を行っていく予を述べた。ヒューマンエンパワーメント推進局(BHE)の太田氏からは、点字ブロック上の駐輪による危険性や、盗難対策について学生側での取り組みの必要性が強調されました。
今回の懇談会を通じて、特に教職課程の履修カルテのデジタル化については、学生側の強い要望と大学側の具体的な検討状況が一致していることが確認されました。一部話題について、全代会と教職員の方々との認識の相違点が明らかとなり、今後の活動の方向性の参考となりました。全代会は、今後とも大学側と協力して改善を進めてまいります。




