6/9 茨城県南某所

カテゴリー:MT用

タグ

投稿日 2020624

更新日 2020年7月29日

2日連続で採集に行きました。この日も数種良いゲンゴロウが採集されたため、報告します。

キタノツブゲンゴロウ Laccophilus vagelineatus Zimmermann, 1922

日本からは静岡県の1か所、茨城県の1か所、計2か所でしか採集されていないゲンゴロウである。今のところ絶滅危惧ⅠB類に指定されているが、大陸からウナギの輸入に伴って侵入した外来種であるという説が有力である。類似種にコウベツブゲンゴロウ、ニセコウベツブゲンゴロウが挙げられるが、それらと比べてなんとなくちょっと体高が高めな気がする。また、ぱっと見の色味もコウベが青灰色(西表島の個体はちょっと黄色っぽい)、ニセコウベが淡灰色、キタノが少し黄色みのある濃灰色といった感じでなんとなく違う。現在繁殖に挑戦中である。

 

キボシチビコツブゲンゴロウ Neohydrocoptus bivittis (Motschulsky, 1859)

県内から3、4か所、全国でも20数か所からしか見つかっていないゲンゴロウ。おそらくこの属の中では一番北に生息している。チビコツブとあるが、意外と大きい。ほとんどのゲンゴロウは翅と腹部の間に空気をためることで呼吸を行うが、本種は水生植物に呼吸管を突き刺して植物の組織から酸素を取り込み呼吸を行う。すごい。生息環境のえり好みが極めて強いが、条件さえ合えば外来種まみれの池にも生息する。

 

(多分)クロマメゲンゴロウ Platambus stygius (Regimbart, 1889)

本種を採集したのは宝篋山である。正直宝篋山で採れるゲンゴロウは2年間で採りきったと思っていたので、ここにきて新しい種が出たことには驚いた。確かに記録はあるし居そうではあるものの、茨城では県北の山間でしか見たことが無かったためあまりしっかり探せていなかった。超そっくりなホソクロマメゲンゴロウという種がいて、もしかするとそっちかもしれない。