<活動報告>2272019宇都宮市某所

カテゴリー:MT用

投稿日 2020429

更新日 2020年7月29日

会長です。

適当に湿地探索していたら気付いたら山を登ってた件。というか道がわからなくなって山越えして帰ろうと思ったというほうが近いか。

某ダムより上流に登っていくと、一気に空中湿度が増してくる。

栃木県西部は山という山がスギ人工植林であるため、まあここもスギ人工植林なのだが…。

ジュラ紀の崖。

層状チャート…のはず。ぐにゃぐにゃに褶曲されている。

様々な苔やシダが着生している。着生しているだけでロマンを感じるのはどうしてなのか。うーん、こんなところに杉植えたのか…?それとも生えたのか。

そのまま上って源流域に。魚払いのためまずひとつ伏流を挟んでその上に。

源流域で最もよく見る水生昆虫はミルンヤンマの幼虫である。源流域に達しさえすれば簡単に見つかる。よく「急流に生息する」とか書かれているが、嘘である。源流域でも流れが緩くなったところや、水深5センチ未満の浅い場所でよく見かける。もっと深かったり、流れが強いところにはムカシトンボが優占する。両種ともイワナの生息限界付近より上でよく見かけるため、宝篋山にムカシトンボがいるのは個人的には信じがたいところである。つまむと逆エビ反りでカチッと固まるが、油断していると突然尻尾で挟んできてちょっと痛い。

サワガニ。源流域でなくともいるし、いるところでは水生昆虫が薄くなる気がするので本当に喰うぞこのカニ野郎。でも肝吸虫結構バカにならないので(しっかり揚げよう)喰うのにも抵抗が。ここは特に密度が高く、おかげであまりおいしいポイントではないのは最初からわかっていたことだ。

伏流が終わった。魚が出てくるかと思ったがまだいないようで安心。

ナミトビイロカゲロウかトゲトビイロカゲロウ。両者は酷似していて肉眼では見分けがたい。そしてこんなところに来るつもりじゃなかったのでスマホしか持ってきておらず、スマホは肉眼より解像度が低い。

ここではハシリグモが良く水中に潜っている。時々、完全に水没している筈の流心部からも出てきて唖然とする。

ジョウレンホウオウゴケとか言われていた水生の小型ホウオウゴケ。闇鍋案件だったので今ではほぼ同定不能。うまく育てられればウォーターフェザーよりも綺麗だと思うが、前にくっついている小石を持ち帰ってみたところ即死した。どうやら難しいらしい。たしかに源流域でしか見ない。

話がそれるが道中ホソホウオウゴケらしき群落をみつけたが遠かったので撮影できなかった。この辺では初めて見る種なので他の群落を探したいものだ。

水性ゴケ生えてて渓流で、ボルネオならブセファランドラとか生えてるんだろうなあとか思っていたらカヤランが水没していた。何故。着生ランとしてはたぶん最普通種で、気にしてみるとあちこちに生えている植物である。小さくてかわいらしいが、実は栽培難関種中の難関種で多くの人が四苦八苦しているようだ。

このポイントではなぜか2株水没していたほかには見かけなかったが、よく探してみると他にもあるのかもしれない。どうせ育てられないカヤランを盗掘しに行く人はいなさそうなので挙げている。

トウゲシバ。こんななりしてヒカゲノカズラ類である。ということは根も葉も双子葉類への収斂進化の産物である。進化ってすごい。

 

ヤマトカワゲラ。似ている種はほぼいないが、こういう色が薄い小型個体はオスエダカワゲラに似ている。

ヤマトクロスジヘビトンボ。渓流で見かけるのはふつうタイリクなので少し珍しい。ヤマトは半水生といったほうがいいのでは?というほど浅いところにいる印象。タイリクより丸っこくて泥臭い雰囲気。個体により臭い汁を吹く。足尾の個体は強烈に臭くて、数時間匂いがとれなかった。頭盾が白っぽいのが判別ポイント

なぜかこのポイントには変なアカガエルが「いつも」沈んでいる。少なくとも春先以外でも沈んでいる。ヤマアカガエルのようなのだけど…。。。

 

コウガイゼキショウの類。山の中でも見かける湿性植物だが、平地でも環境が良ければ生えているし栽培も可能。ダムではよく見る。実は水中耐性があるので水草としても行けそうだ・・・あ、それジュンクスレペンスか? じつはイグサ属Juncus。