0504日光市東照宮

カテゴリー:MT用

投稿日 202056

更新日 2020年7月30日

東照宮と日光山輪王寺が拝観停止になったため日光は異常事態である。

ヒナソウが盛大に咲いていた.五月の日光ではたくさん見られ実に美しいが,北米産の外来種.砂質の土を好むといわれている割に,コケの上から生えている姿が主に見られた.

ツルデンダ。ツルデシダの誤植ではなく、ツル+デンダ.デンダはシダの古名。葉先に芽をつけて石垣に広がる。乾燥には弱いようだ。在来。

これは違う場所だがヒトリシズカ。

このポイントでは全くと言っていいほど花が咲いておらず、これだけが一人静かに咲いていた。見る人もなし。山野草としてよく売られている印象である.

同属にフタリシズカというのもあるらしいが,知名度は低い.そもそも二人は静かではないように思えるが,語源は能「二人静」での静の御前とその亡霊からだという.知名度が低いのはたぶん地味だからだろう.

オオセンチコガネが落ちていた。栃木県ではオオセンチコガネはそう珍しいものではないと思うのだが,緑色を帯びた個体はめったに見ない.

ツタバウンラン。日光の石垣ではよく見る。外来だが綺麗,というか綺麗だから持ち込まれたのだろう.園芸店でも改良品種がシンバラリアとして売られている.

近づけなかったがおそらくイケノミズハコベ。ミズハコベより光沢が強く水上葉には凹凸があり,水中葉も卵型である。水槽では浮葉をつけさせないとうまく育たない。

その性質から侵入ルートは水草としての販売ではないと思う.初出現がクレソン畑であることからして,クレソン苗に混じったのかもしれない.

今やクレソン以上に広がりつつあり,上流域ではオオカワヂシャと並んで最もよく見かける外来水草になりつつあるように感じる.つくばではまだ見たことがないが,下流域であり水質汚濁が激しい為ではないかと思う.

カヤラン。気温にかかわらずこの時期咲くようだ。

ヒメノキシノブ。日光ではこちらの方が多いが、ノキシノブも一応みられる。葉先が丸く地下茎が細く幹を這う。奥日光まで行くとミヤマノキシノブしか見られなくなるようだ.

若干黄緑なのがキイロウメノキゴケ、灰色はウメノキゴケ…だろうと思う。

宇都宮あたりだと木の高いところにしか生えていないが日光方面に向かうと木の下の方に生えるようになり,日光まで来るとそもそも木にも岩にも,ガードレールだろうがフェンスだろうがどこからでも生える。謎.

カヤラン。東照宮付近では少ない。栽培情報では日光を当てるなとするものが多いが、日がよく当たり風通しのいい、木の東側に多い。西日は苦手らしい.

カヤラン。もうすぐ花が咲く

カヤラン。よく見かけるサイズ。あまりにも普通種で山に近づけばどこにでも生えているが、栽培方法はいまだに確立されておらず,つまりバンダとか胡蝶蘭より育てるのが難しいということになるだろう.わけがわからない.

東照宮、輪王寺に隣接する二荒山神社。同名の神社が多数存在している。中禅寺湖畔、東照宮横、宇都宮にあるが、微妙に読み方が違う。

人が訪れないせいで自然が着実に侵略してきている。

右下の細い水路にはイワナが泳いでいた。

オオエグリシャチホコ。見た目はすごいインパクトだが、見るたびに名前を忘れる魔性の虫。

おそらくカタヒバ.イヌカタヒバは帰化したり他の植物の鉢植えに侵入していたりとよく見かけるが,より薄くみずみずしくだいぶ違う印象を受けた。

見分けとしては秋に殖芽をつけるほうがイヌカタヒバだが,生育期の違いはかなり微妙….背葉の縁が薄く膜状になっており,先端が尖る…といったことが言われている.イヌカタヒバのような気がするしょぼいカタヒバ類は何か所かで見かけているので,秋に巡って殖芽の有無を確認したいところである.

ところでイヌカタヒバをグラウンドカバーとしてあたかもハイビャクシンのように用いている庭を見たことがあって,なかなかに好印象だった.そこらじゅうに帰化しているイヌカタヒバだが,苗はめったに売っているのを見かけない.改良品種は「黄金しだ」として売られることがあるらしいが,これも古典的すぎて誰も売らない類なのかもしれない.(コガネシダ,というのが別にいるあたりややこしい)